続々と出店中、オタク女性が集う謎のジムの正体 オタク女性のボディメイク願望に寄り添う

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SAKU代表は一念発起し、パーソナルジムに通う。「想像以上につらかった」。そう苦笑する。つらかったのは、「やせること」にではない。「パーソナルトレーナーと過ごす“時間”に対して、負荷を感じてしまった」とこぼす。

「ボディメイクの過程で、トレーナーさんに『コスプレのために絞りたい』『ダイエット中だけど行きたいコラボカフェがある』といったことを話すのですが、話が盛り上がるわけでもなければ、理解してもらえるわけでもない。ボディメイクをする目的を共有できない、もどかしさみたいなものがありました」

たとえば、自分の髪をカットしてくれる美容師と、会話も感覚も合わないと想像すると、わかりやすいかもしれない。「合わない」と感じれば、美容師を、あるいは美容室自体を変えればいいだろう。しかし、パーソナルトレーニングジムともなれば、そう簡単に変えることはできない。約10カ月間――、SAKU代表はジムに通った。

「途中から苦行のように感じてきて……」。目標としていたボディメイクは達成したものの、モヤモヤを抱えたままだったと吐露する。

「高い金額を払っているのに、なんでこんなに精神的につらいんだろうって(苦笑)。オタクの気持ちをわかってもらえるようなジムがあれば、もっと楽しく、モチベーションを上げながらできるのではないかと考えるようになりました」

オタクの気持ちをくみ取れるジムを

思いついたのが、“オタク女性専門ジム”だった。2021年3月に構想を固めると、善は急げと奔走し、4カ月後の7月にオープンを果たした。オタクの気持ちをくみ取れるトレーナー、モチベーションを上げられるような内観……。

徹底的にオタクファーストにこだわったクララは、メディアに取り上げられるや瞬く間に話題となる。オープン直後にもかかわらず、なんと約150名が殺到。池袋に2号店を新設すると、その後も秋葉原、心斎橋(大阪)、そして天神(福岡)へと店舗を拡大。まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

かつてのオタクといえば、インドアホビーを愛する人たちをイメージするかもしれない。しかし、ボディメイクをするオタク女性が増えているということは、それだけオタクカルチャーが、アクティブなものへと変わったという証左にほかならない。

Clara クララ オタク ジム
オタクグッズが配置された内観(筆者撮影)
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