39歳でがんに「76歳芸人・おばあちゃん」の人生観 大学もお笑いも「やりたいことリスト」にあった

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あとは、周りの人に助けられたからですね。卒業論文もお世話になった先生のおかげで形になりましたし、吉本では同期や先輩の芸人、NSCの講師、ネタを考えてくれた作家さんに支えられた。私一人ではとうてい実現できませんでした。

介護に携わる人たちを元気にしたい

――おばあちゃんの、これからの芸人としての目標はありますか?

老人ホームや介護施設などのお役に少しでも立ちたい、というのが最終的な目標としてあります。

私の兄も病気で失明してしまい、施設に預かってもらっているのですが、この間転んじゃって10針縫ったんです。そしたら施設の方が「すみません! すみません!」って平謝りで。でも、こちらとしてはすぐに処置していただいたので、感謝しかないのですが……。

一方で、今は預けたら預けっぱなしで面会にも来ない家族の方も多くて、何かあったら「お金を出しているんだから、ちゃんと見てくれないと困るじゃないか」って。そんな風潮がありますよね。

だから、介護に携わっている方に少しでも明るく元気になってほしいんです。もっと芸人としての力をつけて、いずれは老人ホームや介護施設を回ってネタやトークをしてみたいですね。

おばあちゃん
舞台で漫談をするおばあちゃん(写真:吉本興業提供)

――前向きな話を聞いていると、こちらが元気と勇気をもらえます。

そういえば、まだNSC生だった頃に、2泊3日の合宿があったんです。その宿泊先のホテルの従業員の方が、私が汗だくになりながら若い子に交じって稽古している姿を見て、手紙をくださったんです。「これからの人生の考え方が変わりました。今の仕事を続けようか悩んでいましたが、もう少し頑張ろうと思います」って。それが最初のファンレターです。少しでも、そんな元気を与えられるような存在になれるといいですね。

堀尾 大悟 ライター

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ほりお だいご / Daigo Horio

慶応大学卒。埼玉県庁、民間企業を経て2020年より会社員兼業ライターとして活動を開始。2023年に独立。「マネー現代」「NewsPicks」「新・公民連携最前線」などで執筆。ブックライターとしても活動。

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