39歳でがんに「76歳芸人・おばあちゃん」の人生観 大学もお笑いも「やりたいことリスト」にあった

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大学の教授も「これから乳がんは増えるし、いいテーマだね」と言ってくださって。「乳がん手術後の発汗と下着について」という卒業論文をまとめることができました。さらにその後、日本家政学会でも研究発表の機会をいただいて。

――なかなかできることではありません。

それこそ水一滴ほどでもいいから、世の中に何かを落とせたら、という思いで論文を書き上げましたね。

スクーリングの日は仕事が終わってから職場のある横須賀から横浜までバイクで駆け付けたり、論文の締め切り前日は教授の別荘に寝泊まりして指導をいただいたり……大変でしたけど、それ以上に「大学で学ぶ」というずっと持ち続けていた夢をかなえられたので、毎日学ぶことが楽しかったんです。

「楽しい」から苦しくても続けられる

――芸人になってからは、今度は新しいネタを書く作業に追われていると思いますが、ここまで諦めないでいられたのは。

単純に、好きだったからだと思います。「今日を楽しく生きよう」の気持ちでなんでも楽しんじゃうので。

それに、舞台に立って目の前にお客さんがいらっしゃるということ、そして笑っていただけるというのは芸人にとっては何にもまさる喜びです。私はまだ経験がありませんが、爆笑をとるとそれこそ気持ちいいでしょうね。

おばあちゃん
(撮影:尾形 文繁)

――コツコツとやり遂げることが、おばあちゃんの強みでしょうか。

子どもの頃からお笑いが好きだったし、大学にも行きたかった。どちらも昔は女性が「やりたい」と言い出せるような時代じゃなかったけど、それでも人生の「やりたいことリスト」の中にはずっと入っていたんですよね。それをかなえられたことが純粋にうれしいんです。

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