東武100系「元祖スペーシア」知られざる整備現場 部品外してメンテナンス、出場時「いちご色」に

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東武の都心の玄関口、浅草駅からは東武スカイツリーラインと東武日光線を経て東武日光駅までを結ぶ「けごん」、蒸気機関車(SL)「大樹」の拠点がある下今市駅から東武鬼怒川線に入って鬼怒川温泉駅まで走る「きぬ」として運行する。

また、JR新宿駅から東武日光駅へ直通する「スペーシア日光」の定期運行のほか、JR新宿―鬼怒川温泉間の「スペーシアきぬがわ」、JR八王子―鬼怒川温泉間の「スペーシア八王子きぬ」の臨時運行を担うなど、JR東日本の路線でも存在感を放っている。

メンテナンスの裏側

12月11日、東武鉄道で唯一のメンテナンス拠点となる南栗橋工場に109編成の姿があった。6両編成の各車両はバラバラに切り離されている。

工場棟は幅75m、奥行きが312mの巨大な建物。車両の分解を伴う重要部検査(4年または走行60万km)、全般検査(8年)をグループ会社の東武インターテックが担当する。工場内はレールの間を動く自動搬送装置が車輪を押して車両や台車を移動させるほか、無人搬送車が重たい部品を運ぶなど、自動化が進んでいるのが特徴だ。

今回は重要部検査。スペーシアの場合は入場から出場まで計11日間を要する。その前段階でシートやカーペットの張り替えなどを実施する。入場時には、床下自動気吹装置の中を通り、時速252kmの風で付着したホコリやゴミを吹き飛ばす。その後、アーチ型クレーンで車体と台車を分離。台車は主電動機(モーター)を取り外し、台車洗浄装置で「丸洗い」する。

東武スペーシア クレーン吊り上げ
下から見上げたスペーシアの先頭部。床下には機器がびっしり取り付けられている(記者撮影)
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