わが子を「お金で困らせない」親が知るべき三原則 「年収の高い仕事がいい」その発想では稼げない
「お金を支払えばお寿司が食べられる。『お腹が空いた』という問題が解決するじゃないか」と思われるかもしれませんが、お金を食べているわけではありません。
「お腹が空いた」という問題を解決してくれたのは、漁をする人であり、魚市場で働く人であり、寿司を握る人です。社会全体が見えていないから、お金には価値があるし、お金で問題が解決できると考え、お金を貯めれば将来は安泰だと考えるのです。
社会全体を見ることができれば、先程の三原則には違和感がなくなります。
たとえば、10人くらいで無人島に移り住むことを考えてみましょう。その場合、そもそもお金を持っていくでしょうか。
お金という紙切れが無人島で効力を発揮できそうには思えません。それにお金を使っても解決できることはなさそうです。そして、無人島での生活の将来に備えるには、お金を貯めるよりも食料を貯めておいたほうが良さそうです。
お金の正体は「知らない人に働いてもらうチケット」
では、お金の役割とはいったいなんなのでしょうか。
ここで、縄文時代や弥生時代の住居を思い浮かべてみてください。まだお金が使われていなかった時代、少数の家族が肩を寄せ合って共同生活をして、お互いに助け合って生きていました。一緒に暮らすほかの家族と協力して住居を作っていたため、大きさや質には限界があります。
それに比べて現代社会で僕たちが暮らす家やマンションは、はるかに高機能で頑丈です。もちろん建築技術が発達したこともありますが、一番大きい理由は、お金を支払って大勢の専門家の人たちに協力してもらえるようになったからです。知り合いにガラスの専門家がいなくても、お金を支払えば、ガラスの窓をはめこむことができます。
一言でいうと、お金というのは、「知らない人に働いてもらうためのチケット」です。お金の発明によって仲間以外の人にも協力してもらえるようになりました。お金は仲間を増やすための道具だとも言えます。
そのように考えると、僕たちが生きて行くために一番必要なのは、生活を支えてくれる仲間の存在です。その仲間を増やすためにお金が使える場合もあるというだけの話です(必ずしも、お金を払えば自分のために協力してくれるわけではありません)。
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