JR神田「アース製薬」副駅名どうやって実現した? 担当者が明かす舞台裏「きっかけは社内の雑談」

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今は変化の時代だ。朝イエスだったものが夜にはノーかもしれないし、逆に今回のように最初はノーでも最後には大きなイエスをもらえることもある。どこに落ちているかわからない変化を捕まえるには、社員一丸となったコミュニケーションが必要だ。

会社では毎週のできごとを報告するシステムがあるが、社長はそれに目を通し覚えていて、エレベーターや廊下で社員と会った時にレスポンスをくれるそうだ。そんな社長のコミュニケーションは、最大級だと思う、と目をキラキラさせて教えてくれた。

コミュニケーションが円滑で、社長から新入社員まで社内を横断してものが考えられるから、朝から晩までアンテナを立て続けて面白いアイディアをどんどん産んでくれる。神田駅では、最初の1週間、駅構内にお礼のメッセージ広告を提示した。

「これからもよろしくお願いしアース!」。例えば、こんなメッセージひとつとっても、コピーライターが考えたものではない。社内のSNS担当が面白がってつぶやいていたものを、そのまま採用した。

モンダミン誕生の歴史と似ている

最後に、読者の皆さんはモンダミンの歴史をご存じだろうか。1980年代、まだ日本に口内洗浄液というものが存在しなかった時代である。当時の社長がアメリカの口内洗浄液を使ったオーラルケアに着目し売り出そうとしたが、最初は簡単に受け入れてはもらえなかった。

しかし、あきらめなかった。発売から5年、今度は洗浄効果を中心に開発をし直し、その効果を前面に打ち出したところ、売り上げは急拡大。日本人に新しい生活習慣を提案し、口内洗浄液といえばモンダミンという商品名を世間に知らしめた。このロングセラー商品が歩んできた道と、今回の神田駅のコラボが筆者には重なって見える。

最初は断られた。しかし機を見つけた瞬間、パワフルに方向転換して大きく進んでいく。そんなことを考えながら、神田駅で聞くモンダミンのメロディが、今日も駅を通る人たちに勇気を与えているのではないかと思うのだ。

さとう ようこ ライター、宣伝プランナー

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Yoko Sato

美術大学卒業後、クルマ会社のハウスエージェンシーにて広告宣伝・販売促進のクリエイティブディレクターを務める。転職した広告代理店に勤務していたときに担当していたゲーム会社から受託し、シナリオライターに。その後、顧問として家庭用ゲームソフトの広告ディレクターおよびコピーライターとなる。現在はゲーム会社出身のママ友に誘われ、エンターテインメント系デザインプロダクションにライター&プランナーとして参加している。

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