JR神田「アース製薬」副駅名どうやって実現した? 担当者が明かす舞台裏「きっかけは社内の雑談」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

こうして、やっと迎えたJR神田駅がアース製薬一色になる10月2日がやってきた。実は1週間前から新看板は設置されていて、駅名や出口名がテープで隠されていたのだそうだ。そのテープがはがれる日を心待ちにしていた。

そして当日、山手線発着と共に流れる「お口くちゅくちゅモンダミン」を聞き「ああ、本当に流れている」と感無量だったという。

社内の評判はもちろん良い。嬉しい、誇らしい、驚いた、そんな声に加えて「普段は神田駅を使っていないけど、今日はモンダミンのメロディを聞いて帰る」そんな社員もいたそうだ。加えて、神田・日本橋付近には同業他社も多い。業界内でのうれしい褒め言葉も多く、貴島氏も笑みがこぼれる。

評判の次に気になるのは費用対効果である。「われわれはそういう考えはしていないんです」。まずは神田駅とコラボをすることで、たくさんのPRをメディアにしてもらえた。それだけで効果があったと考えている。そして5年の間、できるだけ多くの人に「神田駅ってモンダミンの歌だよね」「モンダミンの会社ってアース製薬だったんだ」と知ってもらえればいい。さらに言えば、お金には換えられないものも効果として考えている。それはアース製薬が神田に根づき、社員も、関わってくれる会社の方も、街の方も全員で一緒に楽しんでモチベーションアップしていける。「それが一番の費用対効果です」と貴島氏はうなずく。

「やりたいことをやってみる」

貴島氏に話を聞くなかでよく出てきたのが「がんばっているうちに結果としてそうなった」、「狙っていたわけではないけれども良い結果が得られた」という言葉だ。費用対効果の話もそうだが、「あれが欲しいから、これをする」という理屈ではなく、とにかくやりたいことをやってみて結果が良ければいいじゃないか、そんな気概を感じる。

会社全体にそういう空気が流れているのだろうか。貴島氏に尋ねてみると、少し考えたあとに「川端克宜社長、でしょうね」と言った。社内のコミュニケーションを円滑にしたい、そこから生まれるチャレンジを大切にしたいという考えの社長が、会社を引っ張ってくれていると力強く言う。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事