立憲民主による内閣不信任案提出という「茶番劇」 法案処理優先で最大の武器放棄の"弱腰"ぶり

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これに対し、共産党はもとより、政権寄りの姿勢を続けてきた日本維新の会、国民民主党も賛成したが、13日午後3時に開会となった衆院本会議では、直ちに不信任決議案の採決が行われて自民、公明両党の反対多数で否決。その時点で国会は実質的に閉幕した。

これに先立ち、13日午前11時半に開会した参院本会議では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済に向けた特例法や、大規模な国立大学法人に運営方針を決める合議体の設置を義務付ける改正国立大学法人法が成立、これと並行して衆参各委員会などで必要な会期末処理が行われた。

手続きがすべてが終わった段階で、泉健太立憲民主代表が内閣不信任決議案を衆院に提出、午後3時に開会した衆院本会議で与野党の賛成、反対討論と記名投票の結果、午後5時前に同決議は否決となった。

岸田首相にとっては単なる「通過儀礼」に

こうした一連の手続きに先立ち、岸田首相は13日午前に記者団のインタビューに応じ、「信じるところに従って粛々と対応する」と淡々とした表情で語った。岸田首相自身にとっては、「国会閉幕後の14日に予定する松野博一官房長官、西村康稔経済産業相ら安倍派4閣僚の後任人事などで頭がいっぱいの状態」(側近)とされるだけに、不信任否決は「単なる会期末の通過儀礼」(同)と受け止めたことは間違いなさそうだ。

そこで問題となるのは、前通常国会と同様に、今回も立憲民主が“及び腰”の対応とならざるをえなかった理由だ。これまでの国会運営のルールでは、内閣不信任決議案が提出された段階で衆参両院でのすべての審議がストップし、同決議が可決すれば解散か総辞職、否決されれば両院での審議再開、となるのが通例。

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