「赤羽再開発」飲み屋街一掃よりも大きな問題 説明なくシナリオ示す北区に住民が不信感
それが現在のようなせんべろの街に変わり始めたのは、2011年のエキュート赤羽の開業がきっかけだった。駅中の同業種に街中の商店が勝てるわけはないと、飲み屋に業態を変えた例が多かったと北区区議会の野々山研氏は語る。
そして現在、その飲み屋街一帯で飲み屋街を一掃する3つの再開発計画が進められている。開発自体は民間の発意である。赤羽を訪れたことのある人ならわかるだろうが、建築的に単独での建て替えが難しい区画もあり、かつ権利が複雑に錯綜してもいる。そこで、それらの問題を一度にひっくり返せる手として再開発を選択した。
実は、再開発計画自体は20年以上前にも一度持ち上がったことがある。
「小学校があるのは駅近くの一等地。開発のタネ地としてこれ以上ないほどの好立地で、開発推進派ならこれを動かせたらと思うはず。そこで周囲の飲み屋街を一体化して開発するという計画が持ち上がったのですが、地権者その他関係者が多すぎて頓挫しました。そこで今回は合意を得やすいように地域を3つに分けて進めています」と野々山氏は話す。
飲み屋街はタワマンに変わることに
先行する第一地区では、地上26階の店舗と約300戸の住宅からなる高層建築物が建つことになっている。第二地区、第三地区はメインストリートである赤羽一番街の赤羽小学校寄り、その向かい側と考えればわかりやすい。
第一地区は既存建物も比較的大きめのビルが中心だが、第二、第三地区は小規模な、赤羽らしい飲み屋が密集するエリア。今のところ、この2エリアは準備組合が設立された段階だが、このまま、計画が進行すれば赤羽の飲み屋街はタワーマンションに変わり、小学校はタワマンに囲まれることになる。
それに対して区のまちづくり推進課が出している「赤羽駅周辺地区まちづくりだより 赤羽PRESS創刊号」は「赤羽小学校の教育環境への配慮」と題した文章を掲載している。
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