鉄道会社は「迷惑客」の乗車を拒否できないのか 宿泊施設は法改正でカスハラ客の拒否が可能に

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また、鉄道営業法や同法に基づく鉄道運輸規程では、迷惑行為を取り締まる規定が用意されている。

標識や信号機へのいたずらや線路などの鉄道敷地内への立ち入りといった鉄道の安全への直接的な脅威を罰則付きで禁止している。制止を聞かずに禁煙の場所で喫煙することや、暴行脅迫で係員の職務を妨害すること、列車への投石をやはり罰則付きで禁止し、車内の秩序を乱す行為をした者や手荷物検査に協力しない者を退去させることができるとされている。

「係員の失行」には厳しい?

一方、強制力のある法令は乱用されると危険な代物になる。係員による過剰な行為はこれまた問題である。

この点、鉄道営業法には味わい深い規定がある。係員による旅客に対する失行があった時には2万円以下の罰金または科料と定める規定(第24条)である。『注解特別刑法 交通編(2)鉄道営業法』によれば、失行とは常識的に見過ごせない失礼な行為や態度をいうとされ、旅客を方向違いの列車に乗車させること、を一例に挙げている。

改札係がものを聞かれても何も答えないという態度も度を過ぎれば失行となりうる、とも指摘されている。余談だが、注解特別刑法の「改札係がものを聞かれても何も答えない」という記述のところには、「近時よく見受けられる」という言葉が付されている。1980年代の書籍ゆえの時代を感じさせる。

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