山手線でいちばんおめでたい?「恵比寿」駅名秘話 ルーツはビール工場、銘柄が周辺の地名に波及

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さらに、大塚などと同じく、駅周辺の地名も駅にちなみ恵比寿と呼ばれるようになる。現在の町名では、駅東側が渋谷区恵比寿。西側が渋谷区恵比寿西、恵比寿南である。その始まりは、恵比寿通との町名が生まれた1928年だ。それも元をたどれば、ビールの銘柄なのである。

恵比寿駅の発車メロディは、ヱビスビールのテレビCMで使われた、映画『第三の男』のテーマだ。当初は2004年に期間限定で流れたのだが、やはり恵比寿にふさわしい曲として人気を博したため、翌2005年からは、電車の発車のたびに恒常的に流れている。

ヱビスビールにちなんだものの数々

西口の前には「ゑびす像」も立つ。待ち合わせ場所として人気がある。1975年に東京恵比寿ライオンズクラブが10周年を記念して寄贈したものだ。

そして、恵比寿神社も恵比寿駅から西へ少し歩いた、露地の奥にある。大阪では今宮戎神社、西宮神社など、恵比寿神を祀った有名な神社が数多くあり参拝客を集めているが、東京では珍しい。元は天津神社と言い駅前にあったが、1959年の区画整理の際に現在地へ移され、西宮神社から事代主命(恵比寿神)を勧請してこれを合祀。恵比寿神社に改めたお社だ。

また、恵比寿ガーデンプレイス内にも恵比寿神社がある。1893年に日本麦酒醸造が同じく西宮神社から恵比寿神を勧請したもので、歴史はこちらのほうがずっと古い。

恵比寿駅西口の「ゑびす像」
恵比寿駅西口の待ち合わせスポット「ゑびす像」(筆者撮影)
恵比寿神社
恵比寿駅や町名より後に名付けられた恵比寿神社(筆者撮影)
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