VWの中国向けEV、プラットフォームから現地開発 販売伸び悩みに危機感、開発期間を3割短縮へ

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中国の自動車市場ではEVシフトのスピードが非常に速く、消費者がEVに期待するニーズも欧米市場とは明らかな違いがある。財新記者の取材に応じたある中国メーカーの技術部門責任者は、VWの思惑が外れた背景を次のように解説した。

「ID.シリーズ(のデザイン)を見た中国の消費者は、それがVWのクルマだとすぐにわかるが、『EVらしくない』と感じるだろう。(自動運転機能など)クルマのスマート化の面で、中国の新興EVメーカーやアメリカのテスラに大きく見劣りするからだ」

VWの開示情報によれば、同社が2023年1月から9月までの期間にヨーロッパ市場で販売したEVは34万1000台と、前年同期比60.9%増加した。ところが、同じ期間の中国市場でのEV販売台数は11万7000台にとどまり、前年同期比の増加率はわずか3.9%だった。

ドイツの開発チームと調整不要に

エンジン車を含めたクルマの総販売台数において、中国はVWにとって世界最大の市場だ。EVの伸び悩みを座視するわけにはいかない。

VWは安徽省合肥市にEVの開発・生産の一大拠点を築こうとしている。写真は研究開発子会社VCTCの完成予想図(同社ウェブサイトより)

VCTCが開発を主導するエントリークラスのEVについて、VW中国法人は「完全に現地化した開発プロセスと(中国が強みを持つEV向けの)部品調達基盤を組み合わせ、収益力を向上させたい」としている。

本記事は「財新」の提供記事です

「中国の開発チームは、時差があるドイツの開発チームとの調整が不要になった。新車開発の効率をさらに高め、中国市場への投入サイクルを縮めていきたい」。VW本社の取締役で中国事業の責任者を務めるラルフ・ブランドシュテッター氏は、そう意気込みを示した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は11月25日

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