「結論から言う」が実は理解されない残念な現実 最初にテーマを伝えてから本編に入るのを意識

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ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、「事実をただ述べるのは、結論(主張)ではない」ということです。先日も、若手社員と所属チームのリーダーの間でこんなやりとりがありました。

若手社員「このデータを見る限り、売上高は順調に伸びています」
リーダー「それはわかったんだけど、主張がないんだよ」
若手社員「え、主張ですか?(売上高が順調に伸びてるってのが主張なんだけど……)」

このやりとり、なぜダメなのかというと、自分の結論・主張に「示唆」が入っていないからです。コンサル業界に入ると、最初はファクト分析という作業を任されることが多いです。

ファクト分析とは、事実やデータを正確に読み取り、それに基づいて意見を述べることをいいますが、そこで重要視されるのが示唆です。

データをファクト、つまり事実とみなし、「その事実から何が言えるのか?」という示唆を出すこと。これが重要なのです。

つまり「売上高は順調に伸びている」というメッセージは事実であり、この事実は分析すれば誰でも必ずここに行き着きます。

コンサルの仕事は事実を出すことではないので、これだけならわざわざ高い報酬を払って仕事を依頼する意味がありません。

結論は「事実+示唆」で伝える

大事なのはここからです。つまり、「売上高は順調に伸びている」という事実からどういったことが言えるのかという示唆を伝えてこそ、初めて本当の主張と言えます。

例えば先ほどの若手社員とリーダーの会話のケースなら

「売り上げは順調に伸びているので、費用面を見直せばさらに利益が改善できると思います」

といった言葉に落とし込んで、はじめて結論・主張となるのです。

この後半の「費用面を見直せば、さらに利益が改善できる」という自分の考え、示唆を出せるかがポイントで、これがあるだけで説得力がグンと高まります。

事実をそのまま伝えるだけの“報連相”は誰にでもできます。その内容をさらに有益なものにするには、この事実に示唆を加えてあげることです。

自分の結論(主張)の説得力に自信がない人は、この「事実+示唆で伝える」ということを覚えておいてください。

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