「結論から言う」が実は理解されない残念な現実 最初にテーマを伝えてから本編に入るのを意識

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「結論から言う」が通じないとき

普段から頻繁にコミュニケーションを取っていて、ある程度お互いの状況を共有できている相手であれば、結論や主張から伝えるコミュニケーションが最も効果的です。

多くの書籍などで「結論から伝えなさい」と書かれている理由はここにあります。

しかし、すべての場面において、必ずしも結論から伝えればいいのかというと、そうではありません。

相手が状況を理解できていなかったり、頭の整理が追いついていなかったりする場合は、結論から話しても効果が薄いからです。

例えば、いきなりこんな話をされたら、あなたはどう思いますか?

「力の掛け具合って大事だと聞きます。角度の問題だったりするとも聞いたことがあります。でも、人それぞれのクセがあるので、 たまには専門家に診てもらったほうがいいと思いますよ」

これが何の話か理解できたでしょうか? ゴルフの話? 筋トレの話? そんな具合に、何の話なのかがわからないので、話がまったく入ってこなかったはずです。

実はこの文章は、歯磨きについて書きました。では、今度は「歯磨きの話」だと理解した状態で読んでみてください。

「(歯磨きをするときは)力の掛け方や角度が大事だけど、人にはそれぞれ磨き方のクセがあるので、たまには歯医者さんに行ったほうがいいですよ」というアドバイスだと、すぐに理解できたでしょう。

この「前提が揃っているか」という視点は、仕事においてとても重要です。

例えば上司に対して、「昨日、お客様からクレームを受けまして、私としては正しい資料をお送りしたのですが…」といった具合に、報告なのか相談なのか、あるいはお願いなのか、趣旨が不明な説明をしてしまうことがあります。

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テーマがぼやけたまま説明すると、上司は違うお客様をイメージしてしまい、話が噛み合わなくなる恐れがあります。

こういった詳細をボカした説明は、自分の頭の中で“話のストーリー”が完成してしまっているときにやりがちです。

自分の世界で説明をしてしまうので「それって何の話?」「誰のことについて話しているの?」と言われてしまうのです。

そこで普段から意識しておくべきことは、「誰についての」「何の話なのか」を、ハッキリと具体的に伝えることです。

先ほどのクレームの相談にしても、「〇〇さん、A社に納品したドキュメントについてクレームがありました」と伝えてから説明に移れば、上司もA社に納品したドキュメントの話だと理解できるのでコミュニケーションが円滑になります。

伝える内容が何の話なのかが見えにくかったり、あるいは普段と違うテーマを話したりするときは、「最初にテーマを伝えてから本編に入っていく」という流れを、より意識してください。

しゅうマナビジネス コンサルタント

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大阪府出身。ITソフトウェア企業を経て、総合系コンサルティングファームに転職。現在は経営管理・IT領域を中心としたコンサルティング業務に従事。コンサル業と並行してプレゼンや思考法の専門家としてセミナー講師などで活動。YouTubeチャンネル『マナビジネス』では「学び」+「ビジネス」をテーマに仕事術についての情報を発信している。Xアカウントは@manabi_business

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