――よく副業をやっていると本業が疎かになるのではという心配を聞きますが、その点どうですか?
飯塚:自分がやってみて、本業の会社でやる仕事と、副業の個人でやる仕事には、別のやりがいと大変さがあるなと思います。どちらも勉強になりますし、副業をやっているからといって、本業は疎かにならないのでは? というのがやってみた感想です。そもそも副業までチャレンジする人って、本業もちゃんと仕事しているような真面目な人が多そうですよねえ。
――たしかに。飯塚さんのお話を聞くと、副業が本業のトレーニングになっていますね。
飯塚:もう、仕事に追われているときは「副業なんかやらなきゃよかった」と心から思うのですが。鍛えられた力を実感するときは、「あ、副業やってよかったな」と思うんですよね。両面、どちらも本音です。
ただスキルアップするからといって単価が低いままなのは良くないなと思うので、金額交渉することが次の僕の課題ですね。
相手に自分の大変さをわかってもらうことは難しい
――金額の交渉は、日本人全体苦手だとたまに言われますね。
飯塚:デザイナーの交渉能力がないゆえに業界で価格崩壊が起きている……みたいな面もあるんじゃないかな、と思うんです。
僕も「良いデザインありがとう」と言われると、嬉しくて、そのままの価格で次も作ってしまう。でもやっぱりしんどいなと思うことはあって、それを他人に伝えて交渉したり、誰かに相談したりというタイミングがないのが難しいと感じますね。変えていきたいです。
――飯塚さんのデザインの価格が上がることを応援しています! 今日はありがとうございました。
2回にわたってお送りした、デザイナーの兼業をしている飯塚さんのインタビュー。「ヘルシーな兼業」のためには、価格や依頼内容を交渉する術が必要なのかもしれない。
しかしそもそも企業と従業員ですら、賃金や仕事内容を交渉するのが難しい昨今。依頼主と個人事業主では、その難易度も上がってしまうように感じる。しかしそれでも、交渉しないと、相手に自分の大変さをわかってもらうことは難しい。
ヘルシーな兼業のためには、私たちはどうやって交渉すればいいのか? 今後の連載で考えていきたい。
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