超過酷!深く考えず「副業」始めた28歳男性の悲劇 平日は会社員、土日の片方は副業で潰れて疲弊

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――締め切りを守らせる仕事も大変ですよね……。

飯塚:締め切りも、案外流動的なんですよ。急遽「急ぎで」と言われたからすごく頑張ってチラシを作ったけれど、「やっぱりコンサートの時期が延びたから、まだ印刷大丈夫です」と言われた時はもう、心折れかけました。そういうことも1回くらいならまだしも、重なるとつらいですね……。

しかも本業の忙しい時と副業の忙しい時が重なったり、体調不良と重なったりすると、きついです。やっぱり仕事の掛け持ちって大変だなと感じます。

――ひとりでやっている仕事だと、体調不良でも投げ出せない。

飯塚:そうなんです! 一度、チラシを作っている最中にコロナに感染してしまった時があって。もう病み上がりの体に鞭打ってデザインしたような……あまり記憶がないです。限界でした。会社だったらコロナであれば他の人に仕事を代わってもらえますが、個人だと自分がやるしかないんですよね。

でも副業は体壊した時が大変だなんて、やる前はわからなかったです。

副業を始めたきっかけ

――ちなみに副業に興味を持ったのはいつ頃でしたか?

飯塚:コロナ禍でリモートワークになったタイミングです。通勤電車の時間がなくなって、夜の時間がとれるようになって。僕の妻は、フリーランスの動画編集者で、さまざまな仕事を掛け持ちしていて、その様子を見て「うらやましいな」と少し思っていました。本業とは違う、自分主体で自由度の高い仕事を僕もやってみたいな、と。

――そのタイミングで、ちょうどご友人から依頼があった。

飯塚:なんかねえ、前任のデザイナーの方に逃げられちゃったみたいなんです。僕もそのことをもう少し考えればよかったのですが、当時は副業に乗り気だったので「いいですよ!」と気安く引き受けてしまったところに反省があります。

――とはいえ、副業って情報も少ないし、やってみないと難しさがわからないですよね……。

飯塚:そうなんですよ! 最初の仕事って、どうしても踏み台にせざるをえない面がありますよね。失敗をしたり、反省する材料になったり、という踏み台を経ないと、なかなか仕事の成長って難しい。これが会社の新入社員だったら、踏み台の仕事をちゃんと会社に守られながらできるんでしょうけど……。

副業でフリーランスの仕事をやる場合は、踏み台の仕事で個人が守られないという難しさがありますね。やってみないとわからないけれど、何もわからずやるリスクはたしかにある。

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