「中古品市場」から透けて見える日本経済の苦しみ 各家庭の"不要品"、メルカリ売れ筋から見えること
買い手側も変化している。東京・有楽町で毎月行われている大江戸骨董市では、訪日外国人が熱心に物色している姿を見かける。円安の恩恵で、和食器や古道具・着物が手ごろな価格で買えるのだろう。それも、土産用のレプリカではなく、本物が。ここでも高額品を買っていくのは、日本人ではないようだ。
変化してきた日本人の消費
思い返せば、景気の良かった1980年代は西洋アンティークの店を街でよく見かけたものだ。ティーカップでも親世代はウェッジウッドなど海外ブランドをこぞって買っていたが、現代では無印良品あたりでシンプルな食器を買って済ませる家庭が多いのではないだろうか。嗜好が変化したと言えばそうだが、残念ながらそこにお金をかける余裕はない。
逆に中国人客が、かつて英国貴族のお屋敷で使われていたような銀器のティーポットを欲しがるようになったとか。もともとお茶を飲む習慣があり、暮らしぶりが豊かになるにつれて、そうした西洋アンティークに目が向き始めたのだろうというのだ。
金だけでなく、銀の価格も上がっており、純銀製品もじわじわ値上げされていると聞く。ますますわれわれの手には届きそうにない。中古市場ひとつ例にとっても、日本経済の現状が透けて見えそうではないか。
長く続くデフレのせいで、高品質で高額なモノを買うより低コストの使い捨て消費が根付いてしまった日本。今より財力があった昭和世代が退場したのちは、取引されるのは手ごろなアパレルやホビーなどの「かくれ資産」だけになってしまうのかもしれない。
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