未曾有の危機に立ち向かう再生可能エネルギーの未来《2》固定買い取り制度の導入で利用は拡大する
政府頼みの再生可能エネルギーでよいのか?
補助金もない。FITもない。あるのは電力会社に一定割合で再生可能エネルギーの導入を義務づけたRPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)だけという状態では05年同様、再び市場が停滞することになりかねない。
実際、スペインやイタリアでもFIT法の期間縮小や固定価格の引き下げによって太陽光発電導入に急ブレーキがかかっているともいわれている。
このようにいまだ発展途上にある再生可能エネルギーでは、政府の方針転換が市場を直撃する可能性が高い。しかし、すべてが政府頼みでは事業としての持続可能性は望めない。補助金はあくまでも初期投資のハードルを下げ、事業としてのスタートダッシュを支援するためのものである。当初はFITによって広く社会全体で再生可能エネルギーの拡大を支援しつつも、いずれは事業としてしっかり儲かる再生可能エネルギー産業を育成する必要がある。
また、民間投資を呼び込むためには電力会社が独占している発送配電の分離についても検討することが有益だろう。この点は次回詳しく説明したい。
ふじつ・ともこ
写真は京セラの太陽光モジュール
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