ランキングトップはテレビ準キー局の朝日放送で、平均年収は1479万円だった。6位に同じ準キー局の毎日放送(1327万円)もランクインしている。テレビはネットメディアの台頭などで、業績的に苦戦を強いられているものの、高給はまだまだ健在のようだ。
2位にはセンサー・計測器など電子機器販売のキーエンス。平均年収は1440万円と、トップこそ朝日放送に譲る形となったが、平均年齢は34.8歳とダントツの若さだ。
5大総合商社や全国紙は高給
5大総合商社といわれる伊藤忠商事(3位・1384万円)、三菱商事(4位・1355万円)、三井物産(5位・1351万円)、住友商事(7位・1305万円)、丸紅(9位・1275万円)が全社10位以内にランクインと、存在感を示した格好だ。ほかには、朝日新聞社(8位・1299万円)、日本経済新聞社(10位・1244万円)など、普段はベールに包まれている新聞社のデータも掲載。全国紙の給与水準は高い。
トップ10の顔ぶれは、一般的に激務といわれる業界や会社が多い。従業員にはその分待遇でしっかり応えているというところだろう。なお、大台の1000万円を超えたのは27社。マスコミや商社を除けば、証券や不動産、医薬品の大手が並んだ。
平均年収を見るときには、平均年齢も併せて見ておきたい。同じ年収でも、平均年齢の若い企業のほうが、一般的に貰える計算になるからだ。また、年収の積み上げが「生涯給料」となる。その点で、東洋経済オンラインでは「40歳推計年収」「30歳推計年収」のランキングを過去に作成しているので、併せて参照いただきたい。
また、有価証券報告書に掲載している平均年収と、『就職四季報』掲載のものとでは、異なる場合がある。前者の全従業員基準に対し、後者は、原則として大卒総合職や非現業職基準。つまり、従業員に現業者を含むメーカーなどでは、後者のほうが一般的に金額が上回ることになるのだ。本ランキングには、集計基準も印しているのであわせてご覧いただきたい。
平均年収は、いくら貰えるかを計るうえで、かなり有効な目安になることは間違いない。ただ、これから先、その会社に入社してその年齢になった時に同額貰えるかどうかは別の話だ。人事・賃金制度を、より成果や役割に比重を置く方向に見直す企業も増えているし、今後10年、20年先その会社が安定的に稼げる保障はどこにもない。年収の多寡にこだわるあまり、業界・企業の収益力、今後の展望などをないがしろにしないよう注意しておきたいところだ。
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