自分の感情に振り回されないための「4つの方法」 「どうして」ではなく「どうすれば」で考える幸せ思考

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彼女はビジネスパーソンとして成功をおさめていたが、不安感がぬぐえないと、助けを求めてきた。不安でたまらないのは現実的な悩みがあるからではなく、感情のコントロールが下手だからではないかと、彼女は考えていた。

実際、彼女は人もうらやむような生活を送っていた。すばらしい男性と出会って結婚し、2人の子どもにも恵まれて、どちらも成績優秀だった。友人も大勢いて、勤務先である大手建設会社の仕事にもやりがいを感じていた。利益の大きい新規プロジェクトの契約を獲得するという大変な仕事だが、報酬も高額だった。

彼女は有能で、大規模な建設プロジェクトで契約を何度も勝ちとっていた。私自身、ロンドンで新たな土地開発計画が進行中という新聞記事のなかで、彼女の名前を見かけたことが何度もあった。

マンディでさえ、百戦百勝というわけではなかった――そんな人などいないだろうが。

彼女は獲得できなかった契約のことを考え、自分の行動や判断が間違っていたから契約を逃したのではないかと思い悩んだ。自社の代表として力不足だったのでは? 競合他社よりもすばらしい提案だと、相手を説得するだけの力が足りなかったのでは? 仕事について考えはじめると、マンディはネガティブ思考の渦に吞み込まれ、失敗したときのことばかり思い出した。

成功した契約のほうが多いのだから、その思い出を大事にするべきなのに、たまに犯した失敗にとらわれていたのだ。

状況を変えるために、4つの方法を実行

私たちはこの問題について話し合い、4つの方法をすべて実行することにした。

マンディは、いまの状況を少し変える努力を始めた。まず、不安感にさいなまれていることを同僚に打ち明け、あえて契約獲得に失敗したときの話をもちだし、ユーモアをまじえて披露した(「いまの状況を変える方法を見つける」)。

それに、自分が失敗した経験にとらわれていて不安感がぬぐえないことを自覚し、ネガティブなことばかり考えている状態を変えなければならないと気づいた(「注意を向ける対象を変える」)。

さらに全体像に目を向けた結果、百戦百勝の人などいないことを理解するようになった(「状況をほかの視点から考える」)。

失敗に目を向けるのではなく、成功したことを祝い、バランスよく状況を俯瞰できるようにもなった。最後に、定期的に運動することを心掛けた結果、以前よりよく眠れるようになり、ストレスも軽くなった。ストレスを感じたら、深呼吸をするエクササイズを実践するようになった(「反応の仕方を変える」)。

やがて、マンディは不安感とネガティブな感情を調整できるようになったのである。

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