トヨタとも協業「BMW」が水素燃料に注力する真意 燃料電池車のシンポジウムで語ったその実態

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清水氏が注目するのは、自然エネルギーによる電力から電解法を使って作るグリーン水素。これは貯蔵可能なため、「カーボンニュートラルの燃料として、FCEVと理想的な組み合わせになる」という。

トヨタも、MIRAIなどでFCEVの知見を蓄積している。山形氏は、シンポジウム会場のジャーナリストから、「燃料電池は意味がないというBEVメーカーもありますが……」と水を向けられ、「次世代技術として大いに注目できる」と答えていた。

ところで、BMWはスポーティな走りやデザインを特徴とするプレミアムブランドだ。そんなBMWが、商用車などに最適な燃料電池を手がけることに、どれだけ意味を見いだしているか。ドクター・グルドナーに質問した。

ジャパン・モビリティショーにてドクター・グルドナー(筆者撮影)
ジャパン・モビリティショーにてドクター・グルドナー(筆者撮影)

「開発した技術を必要としてくれるメーカーは、少なくないと考えています。ここにトヨタと共同研究してきた意味があります。トヨタはタクシーや商用車など、幅広く手がけていますから。MIRAIのタクシーで得られた知見が役立っている、とも聞いています」

「FCEVのロードスター」は作れるのか?

BMWでは、iX5 ハイドロジェンの4年にわたる大規模なテストは「無事終了」とする。つまり、発売に向けての準備期間に入ったとみてもいいだろう。

ここで気になるのは、「燃料電池は大型タンクを積めるSAVだけのものなのか」ということだ。たとえば、次世代「Z4ロードスター」やスポーツクーペは、燃料電池と無縁なのだろうか。

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「そんなことはありません。小型タンクも開発中です。BEVに比べ航続距離は長く(iX5 ハイドロジェンで約500km)、バッテリーは小さく済むし、コバルトなどのレアメタルを使わなくていいのも利点です」

カーボンフリーの未来への道は長く、くねっているとも言われるが、そこをいかに速く駆け抜けていくか。考えている自動車メーカーがある、ということだ。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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