元引きこもりが「マッチョ×介護」で業界を変える 詐欺に遭い、借金400万円から起業の逆転人生

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ビジョナリー 介護
「介護士のイメージをカッコいいものにしたい」と語るビジョナリーの丹羽悠介社長。左写真は5年前のコンテスト出場時(写真/左:ビジョナリー提供、右:尾形文繁撮影)

マッチョだらけの介護施設が話題になっている。たくましい腕で悠々と要介護者を介助するマッチョな介護士たちが集うのは、愛知・岐阜・三重県を中心に20の介護事業所を運営する株式会社ビジョナリーだ。

創業者の丹羽悠介氏は、23歳で詐欺に遭い借金400万円を背負ったどん底の状態から介護ビジネスを起業した経歴を持つ。丹羽氏は介護施設の求人に応募が集まらない状況に悩んでいたことから、「介護士のイメージをカッコいいものに変えれば人が集まるのではないか」と考えた。若者に人気のある存在としてひらめいたのが、ボディコンテストに出場するようなマッチョな人材だったという。

そこで着想したのが、ボディコンテストに出場する選手を”企業の顔”として雇用する「フィットネス実業団」の創設だった。

丹羽氏の著書『マッチョ介護が世界を救う! 筋肉で福祉 楽しく明るく未来を創る!』では、2018年に日本初のフィットネス実業団「7SEAS(セブンシーズ)」を立ち上げた経緯や、介護業界に転身した経緯を綴っている。

丹羽氏に、介護業界に入るきっかけや、日本初のフィットネス実業団を作った理由などについて聞いた。

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なぜマッチョを集めたのか

全国からマッチョな人材を集め、2018年に日本初の「フィットネス実業団」を立ちあげた丹羽悠介氏。きっかけは、同社が初めて大型の施設介護に乗り出したことだった。30名以上の採用が必要だったが、なかなか人が集まらない。「人材確保は設立当初からの悩み」だったという。

「介護業界は人が集まりにくく、1人当たりの採用コストは50万円〜60万円ほどかかるといわれます。どうしたら人を集められるのか考えた末に『応募が少ないのは、多くの人が介護の仕事について知らないからでは?』と仮説を立てました。

僕だって23歳で介護業界に入るまでは全く興味がなかった。だけど実際に働いてみて、こんなに人に感謝される仕事なんだとやりがいを感じました。きっかけさえあれば、”介護の仕事をやりたい”と思ってくれる方はたくさんいるはず。注目を集めるために『若い人たちの興味に引っかかるもの』を探し始めました」

(写真:ビジョナリー提供)
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