元引きこもりが「マッチョ×介護」で業界を変える 詐欺に遭い、借金400万円から起業の逆転人生

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若者に人気のスポーツ実業団に着目したが、野球やサッカーなどのチームスポーツは莫大な資金がかかる。そこで「注目度の高い個人競技」を調査してたどり着いたのが、当時SNSや芸能人の間で話題になり始めていた「フィットネス」だった。

介護士のイメージをカッコいいものに

「僕自身がダイエットのためにジムで体を鍛え始めたタイミングだったんです。トレーニングの目標として軽い気持ちでボディコンテストに出場したとき、周りの選手たちの真剣な姿を見て、『こんなにカッコよくて、ストイックに努力できる人たちが介護の仕事をしてくれたら注目されそうだ』と感じました。

かつて僕が美容師を志したきっかけは木村拓哉さんがドラマで演じた美容師役に憧れたからでした。介護士のイメージがカッコいいものになれば、きっと人が集まる。そのために『フィットネスの実業団を作ろう』とひらめいたんです」

ボディメイクについて発信するインフルエンサーや、コンテストで知り合ったトレーニー(筋トレをする人)に協力を仰ぎ、「フィットネス実業団」の構想を練った。また、意外なところで参考になる意見を聞くことができたという。

「オフィスに配達に来てくれる女性が、佐川急便の女子ソフトボール実業団の選手だったんです。普段は配達の業務をしながら選手として練習や試合に出場されていて、調べてみると実業団の選手は通常勤務を兼務するスタイルの方が多いことがわかりました」

働きながら選手活動をしてもらうためには何時間勤務すれば赤字が出ないか試算し、次の待遇が決定した。

①筋トレは2時間まで勤務扱い(現場6時間+筋トレ2時間+休憩1時間)

②プロテイン代を月2万円支給

③ジム利用料は無料

④コンテスト出場当日は出勤扱い

⑤コンテスト出場にかかる費用や交通費を支給

インフルエンサーにSNSで情報を拡散してもらったところ、「筋トレが仕事になるんですか?」と応募が40件近く集まり、面接や介護現場でのインターンを経て5名を採用。日本初のフィットネス実業団が設立されることになった。

(写真:ビジョナリー提供)
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