日本銀行が「リスク資産」の購入から静かに撤退 中央銀行として異例の金融政策から正常化の兆し

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日本銀行が2010年に金融緩和政策の一環として開始した不動産投資信託(J-REIT)の購入を、今年は初めて見送る可能性が大きい。同時に始めた上場投資信託(ETF)の買い入れも大きく縮小しており、中央銀行としては異例のリスク資産購入が静かに出口を迎えつつある。

日銀によるJ-REIT購入は22年6月の12億円が最後で、今年は一度も実施していない。日経平均株価が33年ぶりの水準まで上昇する中、ETF購入も10年以来で最も少ない3回にとどまっており、最少金額となるペースだ。

金融緩和を効率的に進めようとする日銀の姿勢

ETFとJ-REITの買い入れは、大規模な国債購入やマイナス金利などともに異次元緩和の象徴となってきた。日本経済が緩やかな回復基調をたどり、インフレ圧力が継続する中で、買い入れの縮小は副作用を抑えながら金融緩和を効率的に進めようとする日銀の姿勢を反映している。

東証REIT指数は、日銀が買い入れを開始して以降の底値から2倍以上に上昇。都心の商業地区では高額の取引が増加している。不動産経済研究所によると、23年度上期における東京都区部の新築マンションの平均価格は1億572万円となり、上半期で初めて1億円を超えた。

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