大阪メトロ心斎橋「御堂筋線開業時の終着駅」の今 大阪の流行発信地、ほかの駅にない特徴とは?
今回のリニューアルでは、改札口の集約も行われた。従来、駅の南側には改札口が2カ所あったが、これを1カ所に集約。改札機などと合わせて駅員の配置もまとめた。労働人口の減少は都市部でも深刻であり、人員の効率化は避けて通れないが、心斎橋駅の場合は他の事情もあるようだ。
「当駅は外国人観光客の利用も非常に多く、きっぷの買い方などが分からずに困っている方をよく見かけます。そのため、時間帯によっては券売機の前にスタッフを配置し、積極的に案内するようにしています」(梅咲さん)。同駅にはハンディタイプの翻訳機も配備されていて、威力を発揮している。
昔の面影が残る場所
アーチ型の天井やエスカレーターの配置などに開業当初の面影を残すとはいえ、リニューアルによって大きく姿を変えた心斎橋駅。利用者の目に触れる部分はほとんど装いを新たにしているが、昔の面影を残している部分がわずかにあるという。
「1つは、閉鎖された『南南改札』へと続いていた階段です。改札階の部分は床が張られて店舗や通路となっていますが、ホーム階の部分は今も残っています」(梅咲さん)。特別に中を見せてもらうと、ホームの最も難波寄りに上へと続く階段があった。
もう1つも関係者以外は立ち入れない、駅のバックヤード部分にあった。駅事務室の裏側に回り、仮眠スペースへと続く階段を上がろうとすると、「足元を見てください」と梅咲さん。そのタイルには、見覚えがあった。
「この階段は、もともと利用者が改札階から地上に出るためのものでした。足元のタイルも、その頃のままです」。確かに、当初から職員用の階段として造られたのなら、わざわざタイルを張るようなことはしなかっただろう。
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