大阪メトロ心斎橋「御堂筋線開業時の終着駅」の今 大阪の流行発信地、ほかの駅にない特徴とは?

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このエリアには、古くは300年近い歴史を誇る大丸心斎橋店をはじめ呉服店が集まり、近年は高級ブランドショップが軒を連ねる。一方で、四つ橋筋側は若者向けの店が立ち並び、いわば“流行の発信地”だ。その傾向は、駅の混雑にも表れているという。

「心斎橋駅は、平日よりも土休日の方が利用者が多いという特徴があります。これは、繁華街に位置するほかの駅ではあまり見られない傾向です。また、平日のラッシュ時は北改札口が、日中や休日は南改札口が混雑するのですが、曜日や時間帯によって混雑する改札口が違うというのも、ほかの駅にはない特徴です」(梅咲さん)

リニューアルでは、前述の通り高いアーチ天井がそのまま残された。このアーチ天井は、同時期に開業した梅田駅と淀屋橋駅にもみられる構造だが、この2駅は後に一部が2層に仕切られて改札口や通路が増設されている。

アーチ天井にシャンデリア

対して、心斎橋駅はそうした大幅な構造変更が行われておらず、現在もアーチ天井が残ったまま。地下とは思えないダイナミックな空間が広がっており、これを生かす形とされた。

また、天井の照明もこれまで親しまれてきたシャンデリアのデザインが引き継がれている。

「心斎橋駅のシャンデリアは、開業当初は凸型のデザインでした。現在のような円錐型となったのは1953年に設置された2代目からで、そのデザインが3代目にも引き継がれました。今回設置した4代目は、アーチ空間とシャンデリアのバランスを考えてひと回り小さなサイズとしましたが、光源を蛍光灯からLEDにしたことで、照度は増しています」(梅咲さん)

確かに、壁や天井が濃い色合いになったにもかかわらず、以前より明るくなった印象を受ける。

心斎橋駅のアーチ天井
シャンデリア照明は従前のデザインが受け継がれた(撮影:伊原薫)
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