物価高でも乗りたい「デンマーク鉄道旅」の魅力 合理化とIT化でシステマティックな運営を実現

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コペンハーゲン都市圏は市内24時間券を利用したが、遠出の鉄道旅には「ユーレイルパス」のデンマーク版を利用した。「ユーレイルパス」もかつてとは様変わりしていて、モバイル版が主流、紙の切符を希望すると手数料が必要になる。

機能的にもモバイル版がおすすめで、購入すると時刻表がダウンロードされる。都市間で検索すると直行や乗り換えなどさまざまな組み合わせが表示される。その列車をタップすると始発から終着までのルートや時間などの詳細も出てくる。「ユーレイルパス」利用が前提なので、指定席もあるのか、あるいはパスだけでは利用できない全席指定席なのかなども表示される優れものだ。

日本のように私鉄が数多くあるわけでもないので、主要私鉄路線も表示され「パスでは利用できません」と出る。国別のパスを購入してもヨーロッパ全土の時刻表が利用でき、ダイヤ改正があると更新もされる。

利用したのは1カ月の4日間150USD(シニア料金)なので1日分は約5600円、それほど高額には感じなかった(一般は173USD)。日本風に表現すれば特急自由席乗り放題で、全席指定の列車はストックホルム行きSJ2000のみ、ドイツ行き国際列車の国内区間などは乗り放題である。

車内販売はセブン‐イレブンが担当

ロングシート車両はなく、メトロも含めてクロスシートである。ただし、ほとんどの列車に自転車スペースがあり、その部分は折り畳み式の窓に背を向ける座席である。通勤、レジャーともに自転車で鉄道を利用する需要は高く、国土がほぼ平坦なので自転車に向いた地勢である。

エストーと呼ばれる通勤電車以外は座席にテーブル、電源ソケットがあり、車内設備は優れている。

日本との大きな差を感じたのは、車内、ホーム、駅、さらには街中どこにでもゴミ箱が備えられていることである。通勤車両以外では各座席にもゴミ袋が備えられ、係員がときどき回収する。

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