習主席、岸田首相と握手態度で読む日本への心理 表情や態度など非言語で相手国との距離感を示す

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興味深いのは、両氏の身体の向きです。

習主席は自身の身体正面を岸田首相の方にやや向けてはいるのですが、大部分はカメラに向けています。一方、岸田首相は身体正面を習主席の方に向けているため、カメラからは首相の横姿が目立ちます。

横の岸田首相と正面の習主席。この構図は、TV画面を観ている人にとって、習主席の存在感を際立たせます。ただでさえ、岸田首相より体格の大きい習主席ですが、身体正面をカメラに向けることで、さらに大きく見えます。

自身の優位性をアピールか?

地位が高い者や力の強い者は、劣位の者に比べ、自分を物理的に大きく見せる姿勢や態度をとる傾向にあります。具体的には、胸を張る、肩幅以上にスタンスを取って立つ、両肘が外側に向くよう両手を腰に当てる、といった姿勢です。これらはリーダー姿勢などと呼ばれます。

一方、劣位の者は、自分の姿勢を小さくする。具体的には、肩を落とす、肩幅より狭いスタンスで立つ、両手を重ねて下腹部を守るように添える、といった姿勢です。こちらはフォロワー姿勢などと呼ばれます。

たとえ、実際に自身(自国)が上位だとしても、具体例で挙げたようなあからさまなリーダー姿勢をとるわけにはいきません。あまりに失礼だからです。そこで、習主席は、身体の正面をカメラに向け、自身を大きく見せ、さりげなく自身の優位性を視聴者に演出しようとしていたものと推測します。

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