ドンキ、白亜の新店舗が占う"次なる成長" "セレブの街"白金台に初の高級業態を出店

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同日には、2015年6月期の通期予想について2度目となる上方修正を発表。売上高は前期比9.1%増の6680億円、営業利益が同10.8%増の380億円と26期連続で増収増益を達成する見通しを示したが、さらに上振れる可能性もある。36円で据え置いている年間配当金も増額する可能性が高い。

既存店の売上高はこれまでの9カ月間累計で3.3%増。これを要因ごとに分解すると、客数が1.6%増、客単価が1.7%増だった。毎日購入する生活必需品の買い物客を競合他社から獲得し、顧客のすそ野を広げたことがプラスに働いた。

消費増税に”3段構え”

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食品が目下の好調を牽引している(撮影:梅谷秀司)

消費増税後のドンキのマーケティング戦略は緻密に練られていた。同社の高橋光夫専務は「消費増税商戦を“3段階作戦”で臨んだことが奏功した」と秘訣を明かす。

まず消費増税後の第1フェーズ(2014年4~6月)は、他社に比べて値頃感のある商品を増やすことで客数増を実現した。他店からシェアを奪うためには、多少の採算を犠牲にしても、客数と買い上げ点数の増加を最優先にしたわけだ。

続く第2フェーズ(2014年7~9月)は、来店した顧客を“ドンキファン”にすべく、商品の幅を広げ、低価格商品だけでなく「ちょっといいもの」を意識して置くことで、客単価アップへ導いていった。

そして第3フェーズ(2014年10月以降)では、非食品を中心に付加価値の高い商品の取り扱いを増やすことで、粗利益率アップを推進している。この作戦も、これまでのところは想定どおりに成功している。

ルイ・ヴィトンからトイレットペーパーまで何でも扱うドンキの中でも、売上構成比で最大となる3割を占めるのが食品だ。これまでの9カ月累計の食品の売上高は前年同期比14.9%増の1537億円。加工食品に加え、生鮮食品や総菜などが好調だという。食品はほかの商材に比べて粗利率は低いが、商材に持つことで来店頻度が上がり、雑貨などへの「ついで買い」が広がることが期待できる。

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