顧客満足で読む!日野のトラックが強い理由 なぜトップを独走するのか

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トラック輸送にとっては、安全に荷物を運ぶことが第一の条件だが、そのうえで、ガソリンなどのコスト削減といった、効率的にビジネスを行うにはどのような施策を取ったらいいのか、という点も重要な課題となっている。

そこで、営業担当が定期的にコンタクトを取り、ビジネス面におけるアドバイスや提案を行うと、満足度が高まるのである。すなわち安全性や業務効率にもかかわるようなフォローを行うということだ。

このように、営業が、運送会社にとって単なる御用聞きではなく、積極的にビジネスにも介入してくれる存在になることが重要なのである。 

需要増に体制強化が追いついていない?

今、アベノミクスによる景気への刺激などによってトラック需要は拡大しており、2020年の東京オリンピックに向け、今後もますます需要増が予想される。しかし、営業対応・アフターサービスを行う十分な人員がそろっているとは言いがたいのが業界全体の現状だ。

2009年頃、自動車小売業界もリーマンショックの影響を受け、赤字に転落するディーラーも出ていた。そのため、経営の効率化、人員削減を含むスリム化が推し進められ、利益の確保が行われた。2011年以降、トラックの需要が増大する現在も、その頃のスリムな経営体制のままで営業しているディーラーが多いため、人員不足が原因で対応が追い付いていないのだ。こうした背景もあってか、業界全体の総合満足度指数は、震災によって需要増となった2011年以降、低下傾向が見られる。

今後、トラック業界で求められるのは、需要増に対応する人員補強や業務プロセスの改革、さらにはスピーディーできめ細やかなアフターサービスの拡充だ。トラック業界は、もはや、車両の販売だけでは他社と差別化を図ることが難しいため、顧客のビジネスの効率アップをサポートするシステムや、サービスの提供といった、差別化競争が予想される。

2020年のオリンピックに向けた需要拡大をチャンスにできるか。今後の各社の取り組みが注目される。
 

木本 卓 ㈱J.D. パワー アジア・パシフィック オートモーティブ部門 執行役員

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きもと たく  / Taku Kimoto

1989年立教大学文学部卒。アメリカン・エクスプレス・インターナショナルを経て、1995年、J.D. パワー入社。

2006~2011年はシンガポール事務所のジェネラル・マネージャーとしてASEAN市場における自動車関連ビジネスの拡大に従事。現在、日本のオートモーティブ部門の責任者として、自動車業界に対するリサーチとコンサルティング事業を統括。

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