中国「独身の日セール」日本ブランド大苦戦の深刻 節約志向でセールは過去最高更新見通しだが…
中国最大のECセール「独身の日セール(ダブルイレブン)」が11月11日まで行われている。
アメリカのブラック・フライデーやサイバーマンデーを上回る世界最大規模に成長し、中国の消費の勢いを世界に知らしめる祭典と化した独身の日セールは、中国政府がIT企業への締め付けを強めたことから、アリババが2022年にGMV(流通総額)の公表を取りやめるなど、規模拡大路線が封印された。
ところが祭典色が薄まったにもかかわらず、節約志向の高まりを受け今年のセールの消費額は過去最高を更新する見通しだ。一方で、長年人気ナンバーワンだった日本ブランドは処理水放出の影響が長引き、2023年1~9月期決算が減収となった資生堂を初め、全体的に苦戦を強いられている。
GMVの公表を取りやめた
独身の日セールはECプラットフォーム「Tmall(天猫)」やマーケットプレイス「タオバオ(淘宝)」を運営するアリババグループが2009年に始めた。
同年に5200万元(約11億円)だったGMV(流通総額)は2020年に4982億元(約10兆300億円)、2021年は5403億元(約11兆円)に拡大、ほかのEC企業や家電量販店なども参戦する国民的セールになっている。
しかし格差是正の政策「共同富裕」を掲げる中国政府がアリババに独占禁止法違反で巨額の罰金を科すなどIT企業の締め付けに転じたことから、様相が一変。
同社は2021年にカウントダウンイベントを中止し、2022年には最大の見せ場だったGMVの発表も取りやめた。EC中国2位の京東集団(JD.com)も同年はGMVを非公表にした(過去記事:幹部直撃!アリババ「独身の日」取引額非公表の訳 参照)。
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