アキュラ中国撤退で懸念される"中国撤退ドミノ" 現地では他の日本の高級車撤退の臆測の声も
北米市場で人気が高く、「2023北米カー・オブ・ザ・イヤー」も受賞した本田技研工業(ホンダ)の高級ブランド「アキュラ(Acura)」。北米成功の勢いに乗って2006年に中国市場に進出したものの、約15年にわたって存在感を発揮できないままついに今月、中国での生産と販売を終了した。
ホンダは2030年以降、中国市場で発売する自動車のすべてを電動車とする方針を打ち出しており、アキュラの生産中止もその一環だが、中国では日本車メーカーの衰退の象徴とも受け止められ、日産自動車の高級ブランド「インフィニティ」も同じ道をたどるとの臆測が絶えない。
アキュラは日本の自動車メーカーが設立した最初の高級ブランドで、1986年に北米市場に投入され、1989年に同市場に参入したトヨタ自動車のレクサスとともに高い人気を維持している。今月11日(現地時間)には2022年6月にアメリカで発売されたアキュラブランドの「インテグラ」が「2023北米カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。
高価な割に認知度が低かった
中国では2006年にアキュラの輸入販売を始めたが、自動車市場が急成長期に入っていた当時、すでにアウディが高級車市場で大きなシェアを確保しており、世界的に知名度が高いBMW、メルセデス・ベンツが猛追している状況にあった。中国の各報道によると、高価な割に認知度が低く、宣伝にも力を入れなかったアキュラの2011年の販売台数は4104台にとどまり、2012年には2300台まで落ち込んだ。
ホンダは2013年からテコ入れに動き、2016年にアキュラを広州汽車集団との合弁企業である広汽本田で現地生産すると発表した。車体の現地化やマーケティングにも力を入れ出した。
同年、初の中国市場専用モデルとしてコンパクトSUV「CDX」を発売し、2017年には中型セダン「TLX」を中国向けにロングホイールベース仕様に改良した「TLX-L」を、2018年に上級SUV「RDX」の中国生産車も投入した。
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