アキュラ中国撤退で懸念される"中国撤退ドミノ" 現地では他の日本の高級車撤退の臆測の声も

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アキュラの中国販売は2017年に1万6348台に伸び、テコ入れが奏功したように見えたが、実際はこの年がピークだった。

中国の各報道によると、販売台数は2018年が7337台、2019年が1万4786台、2020年は1万1193台と伸び悩み、2021年に入るとほぼ半減し6554台に落ち込んだ。

中国の高級車市場は拡大していたものの、2019年12月にテスラが上海でモデル3の生産を始めたことでEVシフトが加速し、需要の成長分をテスラをはじめとしたEVブランドに吸い取られた。

現地の業界関係者からは「ホンダは終始タイミングが悪く、動きが遅く、投資も少なかった」という評価が多い。最初の進出ではドイツ勢に後れを取り、知名度の不足をカバーするための施策も弱かった。現地生産を発表した3年後に実現したが、中国の自動車市場の変化のスピードはさらに速く、EV化の波にのみ込まれた。

中国の自動車業界団体である乗用車市場信息聯席会(CPCA)の崔東樹秘書長はアキュラの中国での不振の原因を「元々中国消費者向けにつくられたブランドではないうえに、現地化や技術のアップデートのスピードが遅かった」と述べている。

ホンダはEVにリソース集中

ホンダは2021年10月に中国電動化戦略を発表。2030年以降、中国で新たに投入する四輪車をすべてハイブリッド車やEVなどの電動車とすることや、中国初のホンダブランドEVとなる「e:N」を、5年間で10車種発売することなどを打ち出した。

広汽本田は2022年に新型EV「e:NP1」の販売を始めたほか、2024年には広州市で初めてEV専用の新工場を稼働させる予定だ。

中国戦略見直しの過程でアキュラにも見切りをつけたのだろう。広汽本田は「e:NP1」に先立つ昨年4月、同ブランドに社内のリソースを集中することを理由にアキュラの生産を年内で打ち切ると発表した。

宣言通り今年1月に生産と販売を終了し、アキュラ中国の公式サイトにも接続できなくなった。一方、アメリカではアキュラブランド初のオール電化モデル「ZDX」「ZDX Type S」の開発が進んでおり、昨年末にはプロトタイプの画像が公開された。

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