「100点なんて偉いね!」が子どもへの呪いになる訳 その「ほめ言葉」が子どもを縛ることになる
親は学校の評価にはいっさい関わらず、家庭生活で必要な「軸」のみを持って、子育てをしていく。「軸」は、子どもが生きていくうえで本当に必要なこと、たとえば、「死なない、死なせない」などを2~3本だけ。子どもがその「軸」から外れそうになったときのみ、全力で叱るべきだと考えています。
親に評価されず自由にさせてもらえれば、子どもはいつしか、ほかと比較して「もっといい点を取りたい」と努力したり、もしくは「まあ、点数が低くてもみんなと仲よくできていればいいや」とより友達と仲よくしたり、いずれにせよ、「自分なりに考えて行動」し始めます。
子どもが成長している様子を発見したら、それを言葉で認めてあげましょう。そうやって「成長する子ども」を「認める」ことこそが、子どもの「こころの脳」を育てます。生活が子どもの脳を育てる、というのはこういうことです。
失敗はして当たり前
親は家庭生活における「軸」を持つ。これは脳育てにおいて一番大切なことなので、これからも何度も繰り返し述べていきたいと思っています。
「認める」ということは、言い方を変えると、子どもを「信じる」ということです。子育てとは、「心配100%/信頼0%」の子どもを、日々の家庭生活の中でコミュニケーションを取りながら成長させ、「心配0%/信頼100%」の状態にして社会に送り出すことです。
子どもは最初、何もできない状態で生まれてきます。親は子どもに対し、常に必死に目を配りながら成長の姿を認め、あるときには、たとえ心配であっても信じて任せ、少しずつ「信頼」の割合を増やしていくしかありません。
子どもを信じて任せると、ときには失敗してしまうこともあるでしょう。しかし、事前に失敗することが予見できていたとしても、それが命に関わるものでない限りは、親は信頼して見守ることが必要です。
失敗こそが、「おりこうさんの脳」に知識と経験を植えつけます。むしろ、失敗は脳育てのチャンスです。次にどうすれば失敗しないかを自身の力で考え、それを正しい論理として身につけていくということが、子どもの脳をよりよく育てていくのです。