「有給休暇が6週間」家族と一緒の時間が増えた オーストラリアに残る選択をした彼女のその後

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「専門学校に入り直し、看護師になって3年間、総合病院で働いていました。でも、ずっと海外に行こうという思いは持っていて」

ミャンマーにボランティアで行く機会があり、看護師として海外で働くなら英語が必要になることを痛感した。そんなとき、オーストラリアで看護師が行くワーホリのプログラムがあることを知った。留学エージェント、ワールドアベニューの「有給海外看護インターンシップ・プログラム」である。

「英語力を高めることもそうでしたが、忙しい毎日でしたので、オーストラリアの自然に癒やされるイメージもありました。プライベートの時間とか、ほとんど記憶にないくらいの毎日でしたので。また、多民族多文化国家と聞いていたので、音楽やアートなど、看護以外の視野も広げられると思いました」

職場には1年前に伝え、準備を推し進めた。病院勤務で忙しい中でも、フィリピン人の講師とのオンライン英会話は続けた。

「それでも英語には不安はありましたが、ワクワクのほうが勝ってしまっていましたね。できなかったとしたら、もうしょうがないと開き直って」

そして2016年、病院を退職してワーホリに向かう。語学学校に入り、カフェのアルバイトを始めた頃から、もっと長くオーストラリアにいたいと考えるようになった。セカンドビザを取得しようと、ファームジョブは地方都市でブルーベリー摘みをした。

「やっぱりここに残ろうと思いました」

シドニーに戻ってからは、プログラムに含まれていたアシスタントナースとしての老人ホームでの介護の仕事に従事した。

「この頃は、お金を貯めたかったので、シフトに入れるときはどんどん入っていました。週7日、仕事をしていたときもあります」

まだはっきりと進学を考えていたわけではなかったが、いろいろなオプションを考えると、お金はあったほうがいいと考えた。派遣会社との契約期間が切れるタイミングが来ると、自ら就職活動を行い、1つの老人ホームで仕事ができるようにした。こうして、安定的に仕事ができるようになった。

「2年目のワーホリが終わったとき、次はどうしようと考えたんですね。実はイギリスの大学院に入って、国際看護師になるというプランがそのときにあったんです。でも、オーストラリアの素晴らしさ、現地で作った人脈もあって、やっぱりここに残ろうと思いました。オーストラリアの大学に編入して、正看護師になろう、と」

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