神宮外苑だけじゃない「東京圏のスタジアム問題」 需要を見据えた長期的ビジョンや全体計画が必要

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ボールパークの先駆けとなったプロジェクトが、2007年にスタートした広島市民球場の建て替えだ。平和記念公園近くにあった広島球場が築50年を経過して老朽化が進んだことから、JR広島駅の貨物ヤード跡地に新球場(5ha)が2009年3月に完成。その後、周辺エリア約4haの再開発を、三井不動産が「広島ボールパークタウン」の名称で2014年から進めてきた。

三井不動産では、広島球場でのノウハウやFビレッジの成功をもとに、神宮外苑の開発事業に乗り出した。新しい神宮球場には、ホテルやショッピングモールなどを併設する計画で、野球以外の集客を得ることで賑わい作りと収益拡大をめざしている。

築地市場跡地で新スタジアム建設の構想

問題はスタジアム建て替えのための敷地をどう確保するか――。野球などの試合は、ほぼ毎日のように開催されており、1年半以上はかかる建設工事期間中も休むわけにはいかないからだ。

プロ野球発足後の1937年に建設された後楽園球場は、老朽化したため築50年で建て替えられた。この時は、後楽園球場の隣にあった競輪場跡地に東京ドームを1988年に建設。その後に取り壊して、跡地は「後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティアトラクションズ)」となっている。東京ドームも今年で築35年を迎え、そろそろ建て替えの準備を始める時期に来ているが、小石川後楽園内でスタジアム建て替えの敷地を確保するのは困難だ。

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