宇都宮LRT「マイカーと対立でなく共存」の好事例 人口減・高齢化社会の"足"確保は喫緊の課題だ

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芳賀・宇都宮LRTは当初、電車の遅れが目立った。これは全扉で決済が可能な交通系ICカードに対し、現金は乗務員がいるいちばん前の扉での決済に限られており、現金利用者が多かったためと事業者は話していた。

宇都宮LRTトランジットセンター
清原地区市民センター前トランジットセンター(筆者撮影)

筆者のまわりで聞いても、地方はクルマだけで移動するので、交通系ICカードが使える環境であっても、持たない人が多いという。つまり当初の遅れは、マイカーからの乗り換え客が多く、その後遅れが減ったのは、新たにカードを手にした人が多いからだろう。

開業の効果が見え始めた

このことからも、マイカー移動者がかなり流れてきていることは明らかだ。単に線路を敷いただけでなく、バスターミナルやパークアンドライド駐車場などを備えたトランジットセンターを用意するなどして、ドアツードアに近いモビリティを提供した効果もありそうだ。

そもそもクルマはお金がかかる。ホンダの取材は10月にモデルチェンジした軽自動車N-BOXの取材だったが、軽自動車とはいえ価格はいちばん安くても約165万円であり、乗り続けていくには税金やガソリン代もかかる。LRTは多額の税金を投入して作られたので、自腹を切って買ったマイカーとの比較はフェアではないと言う人もいるだろう。

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