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トヨタ最高益を礼賛できない「EV周回遅れ」の深刻 利益率でテスラ超えは「残存者利益」にすぎない

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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日本でライドシェア、無人タクシー、無人物流、充電ステーション、グリーンエネルギーのすべてにおいてイノベーションが停滞しているのは、偶然でしょうか? それが進まないほうがいいからと、サボタージュが起きていないでしょうか? そんなことないと断言できる状況とは、とても思えません。

トヨタの抱える2つ目の問題は経営陣の年齢です。あと5年で引退する世代がドヤ顔で好決算を発表する。今のトヨタはそのような体制に見えます。

今年4月にトヨタ自動車社長に就任した佐藤恒治氏は54歳(撮影:尾形文繁)

これは日本の大企業共通の問題なのですが、ビジネスパーソン人生の最後を飾るキャリアとして経営に携わる人たちだけで経営チームが組まれると、数年先までの経営にしか力が入りません。

市場の安定期ならそれでいいのですが、大変革期においては10年後のトヨタに利害関係を持つ人が経営陣で半数を超えていないと「この程度でいい」という経営判断になりがちです。ライバルのテスラを起業したイーロン・マスクは52歳ですが、しゃかりきにエネルギッシュに働きます。それと同じ仕事量をこなせるにはコミットメントと若さが重要です。

ですから本当は、トヨタは40代ないしは30代を経営陣にする必要があるのです。それが難しければ創業家など関係なく、力のある人物を選ぶべきです。

かつてのゴーンなら今のトヨタをどう見る?

カルロス・ゴーンさんが日産自動車にCOOとして着任された当時、こんな話をしていました。「日産で一番驚いたことは、会社が火事なのに誰も火を消そうと動いていないことだった」というのです。ゴーンさんも毀誉褒貶が激しい方ですが、当時のゴーンさんが今のトヨタを見たら何と言うでしょうか? トヨタは火事になっていないと言うでしょうか?

ゴーンさんには言われたくないという方も多いかもしれません。では少なくとも今のメディアの中で「トヨタは佐藤恒治社長じゃダメなんだ」という意見が誰ひとり出ないというトヨタ礼賛の状況は、トヨタにとってはよくない外部環境なのではないでしょうか。

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