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トヨタ最高益を礼賛できない「EV周回遅れ」の深刻 利益率でテスラ超えは「残存者利益」にすぎない

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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実際、フィルム業界でも家電業界でも、トップは「これからが大変だ」と口にするのですが、あまりにメディアが持ち上げると、そのうちに「大変なんだろうけれど、乗り越えられえるんじゃないか」と内心思い始めるものなのです。実際はその後の10年でフィルム業界は消滅し、家電王国の日本は凋落します。

自動車業界のトップをあまりメディアは持ち上げるべきではない。私は心からそう考えます。トヨタについて具体的な数字を見てみましょう。

トヨタの決算資料と自動車業界の統計を組み合わせると、こんな数字が作れます。1年前になりますが2022年の世界の乗用車販売台数はガソリン車とハイブリッド車の合計が4730万台、EVとプラグインハイブリッド車、水素車の合計が1020万台でした。

それで前者の市場でトヨタは世界シェアが22%、後者の市場でトヨタは世界シェア1%です。これがまず1つの実態です。

日本車メーカーが抱える問題

次にこの話をメディアは「EVではトヨタはまだ本気を出していない」というトーンで報道します。ないしは忖度であえて触れないメディアも多いものです。これが2つの点で現実離れしています。

1つ目は今年開催されたジャパンモビリティショーであらわになっていることですが、トヨタをはじめとした日本車メーカーが出遅れているのはEVではなくSDVだという問題です。

SDV(Software Defined Vehicle)とは、自動車の価値がハードではなくソフトウェアで決まる車のことです。スマホ同様に新しいソフトウェアをダウンロードすることで性能が上がります。

設計面でEVと親和性が高いため、テスラでは2017年に発売のモデル3ですでにこのコンセプトが実装されているのですが、トヨタでは2026年発売予定のレクサスでようやくこのコンセプトに追い付く計画です。

EVはトヨタも開発できるのですが、SDVが発売できない。ここが出遅れているポイントです。

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