社用車も対象「アルコールチェック義務化」注意点 具体的な方法や、企業に求められるポイント
電気化学式は、アルコール以外にほぼ反応しない高精度なセンサーですが、高価格です。半導体式は安価な反面、アルコール以外でもにおいの強いものに反応することがあります。
アルコール検知器は常に正しく使える状態に保持しておく必要があります。取扱説明書に従った適切な使用が行なわれているかどうかを確認し、定期的に保守や点検を行ないましょう。
運転者が使いやすいアルコール検知器や、遠隔地からの確認に対応できる検知器、アルコール検知結果をデータ化できるものなど、実情や用途に合った機器を選ぶことが大切です。
(3)記録の1年保存
点呼と酒気帯び確認の記録を1年間分保存する必要があります。点呼記録のなかには多くのチェック項目があります。できるだけ、手間をかけずに確実に記録・保存できる方法を検討することが重要です。なお、記録の手段は、紙とデジタルのどちらでも構いません。
(4)従業員への説明
アルコールチェックの実施には従業員の協力が不可欠です。説明会や勉強会などを実施して、なぜアルコールチェックを行なう必要があるのかを周知徹底し、安全運転の意識を共有しましょう。
(5)実務上の注意点
飲酒をしていなくても、口の中に残った飲食物やたばこ等の影響により、アルコール検知器が反応することがあります。
そのような場合は、運転者にうがいをさせる、少し時間をおくなどしてから、再度測定してください。それでも反応する場合は、アルコールが体内に残っている可能性がありますので運転させないようにしましょう。
ノンアルコールビールも注意が必要
ノンアルコールビール等、アルコール成分を含まないと思われがちな食品類にも、微量のアルコールが含まれている場合があるので注意が必要です。
また、アルコールを含むアフターシェーブローションや入れ歯安定剤などに反応することもあるので、運転者には、これらについてもアルコールを含まないものを使用してもらいましょう。
アルコール検知器によっては、疾病により体内から発生するアルコール以外の物質に反応することがありますので、明らかに酒気を帯びてないと考えられる場合は、医師に相談しましょう。
石原清美(いしはら きよみ)
オフィスきよみ企画㈱代表取締役。関西大学大学院ガバナンス科修士課程修了。運輸に特化した社会保険労務士として、経営者をサポート。運送業の労務管理、人材確保などのセミナーを開催、各種媒体に寄稿している。著書に『中小企業のためのトラック運送業の時間外労働削減の実務 補訂版』(第一法規)、DVD教材として『知っておきたい重要なポイントを解説 トラック運送業の労務管理Q&A』(日本法令)など。
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