大戸屋「デカすぎるチキン南蛮」静かな熱狂の真相 黒酢あん、チキンかあさん煮「じゃない」実力派

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ここであらためて、大戸屋の紹介をしておきましょう。

大戸屋ホールディングスの河瀬大二郎さん(商品マーケティング本部 マーケティング部 PRプロモーター)は、大戸屋の強みを「健康的かつ、おいしいこと。また、品質にこだわっていながら安価に提供できていることではないでしょうか」と話します。加えて「お店の雰囲気」も強みとして挙がりました。

今では女性客も多く、健康的においしい食事をとれるチェーンとして知られる大戸屋ですが、創業時は立ち位置が異なりました。公式Webサイトによると、大戸屋のルーツは1958年。池袋の大衆食堂として産声を上げました。

現在とは異なる「大戸屋食堂」という名前で、安価な点が売りだったようです。全品が50円均一という安さで人気を博し、1日に1000人以上も来店していたといいます。

当初は「安さ」が売りの食堂として人気を誇った(出所:大戸屋公式サイト)

もともと九州限定メニューだった

転機となったのは、1992年です。吉祥寺店が全焼してしまったことをきっかけに、従来の「安くてボリューミー」という立ち位置からさらなる進化を模索。新たに女性客をターゲットに据え、1人でも入りやすく、ゆっくりとくつろぎながら食事に集中できるような店舗づくりに乗り出しました。各店舗はまったく同じの内装ではなく、和や木のぬくもりをベースに取り入れており、店舗ごとに印象は異なります。

2023年で大戸屋食堂のオープンから65周年を迎える大戸屋ですが、「大戸屋風チキン南蛮定食」の誕生は意外にも最近です。学生などの若者や、男性サラリーマンといった従来と異なる客層を狙い、九州限定メニューとして登場。大戸屋らしからぬ「ガッツリ系」のメニューである点から人気に火が付き、2020年に全店での提供を開始しました。

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