一方、「大戸屋風チキン南蛮定食」も1位ではないながら、人気トップ5の常連としてコアなファンを持っているようです。筆者と同様、大戸屋といえば2つの「黒酢あん定食」や、「チキンかあさん煮定食」をイメージする人が多いと思いますが、河瀬さんによると「社内的には人気メニューという扱いなんです」とのことです。
社内でも高評価、「もっとタルタルを乗せるべき」という勢力も
ただ、そんな大戸屋の社員たちも、特に鶏卵不足の影響で2月に販売を休止した際は、その反響に驚いたそう。2カ月ほどの停止期間をへて販売を再開した直後は、不動の人気1位である「鶏と野菜の黒酢あん定食」と同じくらいの注文があったと言うのです。
「2カ月間のうちに、ファンの方が離れるかもしれないと思っていたのですが……」と河瀬さん。チキン南蛮ファンの静かな熱狂が感じられるエピソードです。
思わぬ反響は、当初の狙いであった若者や男性サラリーマンだけでなく、女性人気も獲得できていることが影響していそうです。
やや意外にも感じますが、「大盛りイメージのある店は入りにくいけど、大戸屋なら入りやすい」と思う女性はいそうですし、「スゴいボリュームだけど、大戸屋なら、まあいいか」とガッツリ系メニューを気兼ねなく食べる人も多いのかもしれません。
社内でもその実力を認める声は多いそうで、特に高評価なのはこだわりのタルタルソース。原価高の昨今ですが、社内では「タルタルソースをもっと乗せるべきではないか」といった声も出ているそうです。
鶏肉の量も、現状の2列から減らすことは考えておらず、あくまで大戸屋における「ガッツリ需要」の受け皿として今後も提供するとのこと。
飲食チェーンの定番に隠れたメニューとして、今回は大戸屋の「大戸屋風チキン南蛮定食」について紹介しました。
定番メニューの鶏と野菜の黒酢あん定食では、9種類ほどの酢をブレンドして特製のあんかけを作るなど、店内調理なども含めて品質を追求する大戸屋。それは「大戸屋風チキン南蛮定食」でも変わらず、タルタルソースや衣など、随所にこだわりがありました。
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