ディカプリオが新作で見せた役選びのポリシー 慎重な作品選定とノースキャンダルで演技派に

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とにかく、ディカプリオは、役と作品を賢く選ぶことで、ルックスが良いだけのスターではなく、演技が上手い本物の役者であることを証明してきた。それは、テレビドラマ『21ジャンプストリート』でティーンの女の子のアイドルになり、それが嫌でティム・バートンなど個性派監督の映画に出て本格的な映画俳優としてのキャリアを築いたジョニー・デップとつながるところもある(ディカプリオとデップは1993年の『ギルバート・グレイプ』で共演している)。

しかし、デップが元妻アンバー・ハードにDVの濡れ衣を着せられてキャリアをめちゃくちゃにされたのと対照的に、ディカプリオは、恋の噂こそ絶えないものの、スキャンダルはない。現在の妻で人権弁護士のアマルと結婚するまで、同じように次々と女性を取っ替え引っ替えしていたジョージ・クルーニーの場合は、多少ならカップルの事情がわかったりもした。だが、ディカプリオの場合、出てくるのは、今、この若い女性とつきあっているようだという情報だけ。

最近噂になったのは、スーパーモデルのジジ・ハディッドだ。彼女は28歳で、ディカプリオのちょうど20歳下と、かなり若い。だが、彼が選ぶ女性にしては歳をとっている部類に入る。25歳になった瞬間に恋人を捨てると揶揄されるほど、ディカプリオは若い女性が好きなのだ(それにモデル好きでもある)。

毒舌で知られるイギリス人コメディアン、リッキー・ジャーヴェイスから、「レオナルド・ディカプリオは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のプレミアに恋人同伴で出席しました。映画は3時間近くあるので、終わった時には、恋人が歳をとりすぎていました」とネタにされたこともある。

ジジ・ハディッド レオナルド・ディカプリオ キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ディカプリオの恋人とされるスーパーモデルのジジ・ハディッド(写真:The Image Direct/アフロ)

ひとりの女性に決める日は来るのか

そのジョークの終わりに、ジャーヴェイスは「君ももう50歳近いだろう」と言ったが、実際、ディカプリオは来年11月に50歳の大台を迎える。クルーニーは現在の妻と53歳で再婚し、56歳で初めて父親になった。ディカプリオも、それくらいの年齢になれば、腰を落ち着けようと思うようになるのだろうか。それとも、結婚してしまったら相手の女性も自分と同じように歳を取っていくだけなので、そうした選択肢を取ることは永遠にないのか。

キャリアでは、じっくり時間をかけ、賢く選ぶことで成功を収めたディカプリオ。そんな彼からついに選ばれるひとりの女性が出てくるのだとしたらどんな人なのか、ちょっと気になる。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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