中学受験まで残り3カ月、志望校合格のための「追い込み戦略」によくある誤解と極意 過去問は10年分ではなく「10回分」で問題ない

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早い学校で12月から始まる中学入試。1月から埼玉・千葉・関西の入試が解禁、2月からは東京・神奈川の入試が解禁となる。本番までいよいよ残り3カ月。志望校合格のために今知っておくべきことを、早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsで授業に携わってきた教育・受験指導専門家の西村創氏が解説する。

後悔しない「受験プランの立て方」3つのポイント

西村創(にしむら・はじめ)
教育・受験指導専門家
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings、栄光ゼミナール、明光義塾などで25年以上の指導歴がある
(写真は本人提供)

最初に受験プランの立て方を紹介します。受験プランは受験の流れを左右します。例えば初めて受けた学校が不合格だった場合、「これから受ける第一志望に受かるわけがない」と落ち込む子もいれば、「受験は甘くない。第一志望の受験日までもっと勉強しないと」と腹をくくる子もいます。

子どもの力を存分に発揮させるために、どんな受験プランを組むかを考えるのは、親の重要な役割の1つです。もちろん、塾からも併願パターンに関する資料が配られたり、個別面談で受験プランを提示されたりします。でも、最終的にどれを採用してどうアレンジするか決めるのは塾ではありません。わが子の性格をいちばんよくわかっている親御さんが、お子さんとよく話し合って組んでいきましょう。

受験プランを組む際の基本的な考え

①早い入試日で合格できる学校を受験する

まずは、受験日が早くて無理なく合格できそうな学校の受験をおすすめします。成績上は余裕で受かるとわかっていても、模試ではなく本物の受験で合格をもらえたという事実は、自信と安心につながるものです。また受験本番の緊張感に慣れておけば、その後に受ける学校で想定外の事態が起きても、落ち着いて対処できる可能性が高まります。

②入試傾向が異なる学校を選びすぎない

次に、入試傾向があまりに異なる学校はなるべく選ばないことです。傾向が異なる学校を複数受けるとなると、その分タイプの違う過去問をやり込まなければならず、時間がかかります。可能な範囲で入試傾向が近い学校を選ぶとよいでしょう。同じ学校を複数回受験するというのもおすすめです。同一校を複数回受けると、合否判定の際に加点してくれる学校や、受験料を割引してくれる学校もあるので、調べておきましょう。

③受験プランを複数用意し、先に受験した学校の合否次第で後の受験校を決める

A校に合格できたら、つぎに受験する学校はB校とC校、不合格だったら、つぎに受験する学校はD校とE校……というように、特定の学校の合否によって、その後に受ける学校の選択が枝分かれしていくプランをシミュレートします。最悪のシナリオを想定してプランを考えておくことで、入試期に慌てずに済みます。

また受験校を検討する際は、合格可能性80%偏差値の表だけでなく、合格可能性50%偏差値の表も見ておきましょう。学校によって、合格可能性80%偏差値と合格可能性50%偏差値の差が1ポイントしかない学校もあれば、5ポイントもある学校もあります。80%偏差値が同じ学校でも、50%偏差値表で比べると差が出るケースがあり、この偏差値の幅が広いほど、合格できるチャンスも大きいということです。

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