中学受験まで残り3カ月、志望校合格のための「追い込み戦略」によくある誤解と極意 過去問は10年分ではなく「10回分」で問題ない

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冬休みや入試直前期の学習方法と過ごし方

冬休みと直前期の学習

最後に、入試に向けた冬休みと直前期の過ごし方についてです。多くの子は、冬休みは塾の冬期講習に参加すると思います。中には、正月特訓や冬期講習のオプション講座を検討している方もいるでしょう。ただし、小6の冬期講習や正月特訓、年明けからの志望校対策講座は、実は必ずしも受講したほうがいいというわけでもありません。受験を終えた保護者からは「冬休みから直前期は無理して塾に通うより、家でわが子に合った勉強をやらせればよかった」という声も少なくありません。塾に通うことで、志望校の過去問対策や理解不足の単元の復習がままならなくなるのであれば、自宅学習に専念したほうがよいでしょう。一方、塾の講座を受講したほうがよいのは、自宅だと勉強があまり進まない子や、志望校の入試過去問対策がある程度計画通りに進められている子です。

冬休みと直前期の生活

また、「入試本番に備えて、朝型の生活に切り替えていったほうが良いか」という相談もよく受けます。もちろん、無理なく朝型に切り替えられるのであればそれがベストです。

とはいえ、朝が苦手な子は一定数存在します。人間の生活リズムや、朝型/夜型は遺伝子で決まっていると言われており、必要な睡眠時間にも差があります。夜型の子が無理に早く起きても、日中の眠気で集中力はかえって落ちてしまうでしょう。

生活リズムや睡眠時間には個人差があるため、無理をすればむしろ日中の集中力が落ちてしまうことも
(画像:miyuki ogura / PIXTA)

そこで、生活リズムを強引に変えようとはせず、お子さんの過ごしやすいようにさせて勉強に集中するほうを優先させるのがよいと思います。入試本番が心配かもしれませんが、大丈夫です。受験当日は気分が高揚するので、覚醒して集中できるはずですよ。

入試直前期で最も大切なのは、気持ちよく入試に向かうために、これまでどおり過ごすことです。昨今の入試では、書かれている情報を読み取って深く考えたり、発想を広げたりすることが求められています。睡眠時間を削って知識を詰め込んだり、パターン演習をくり返したりすれば合格できるものでもありません。親としては、勉強量を増やしてラストスパート……といきたいところかもしれませんが、お子さんの体調やメンタルの安定を優先したほうが、むしろ合格に近づくと思います。入試本番でお子さんが力を出し切れるよう、応援しています。

(注記のない写真:タカス / PIXTA)

執筆:教育・受験指導専門家 西村 創
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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