そのまま電車に乗って、もう1つ先の駅を目指す。ここから東武東上線はすっかり山の中を走るのだが、隣のみなみ寄居駅は山の中に文字通りこつぜんと現れる。単線区間なので、ホームが1面だけのいわゆる棒線駅。その端っこに、妙にピカピカと真新しい小さな駅舎が建っている。
東武でいちばん新しい駅
もったいぶるまでもなく、このみなみ寄居駅は2020年10月31日に開業したばかりの、東武鉄道では最も新しい駅だ。副駅名には「ホンダ寄居前」。駅舎から陸橋でそのままホンダの寄居工場までつながっている。それ以外に駅の周りには何もなく、徹頭徹尾“ホンダのための駅”である。
「ホンダさんの工場が狭山から寄居に統合するということで、国道254号の渋滞がひどくなる可能性がある。そこで、駅を作ることはできないかという話になりまして、開業しました。ですから、ご利用のお客さまはほとんどホンダで働かれている方ですね。それでもラッシュ時間帯は4両編成が座れなくなるくらいには混雑するんです。開業から丸3年、よく利用していただいていますね」
小さくも新しい駅で、ちゃんと自動改札が導入されているし、エレベーターもある。駅舎の下には誰が使うのか駐輪場も。さすが天下のホンダ、である。
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