香港で「振り込め詐欺」など特殊詐欺が急増の背景 中国本土出身の留学生や高齢者の被害目立つ

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特殊詐欺の急増を受け、香港警察は市民に注意を喚起するキャンペーンを強化している(香港警察のウェブサイトより)

香港で「振り込め詐欺」や「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺が急増している。香港警察の統計によれば、2023年1月から8月までの間に発生した詐欺事件は2万5521件と、前年同期比52%増加。そのうち特殊詐欺の増加率は74%に上った。

「警察や中国本土の役人が、あなたに直接電話をかけてくることはありません」。香港で最も交通量が多い(九龍半島と香港島を結ぶ)クロスハーバー海底トンネルの入り口には、車道を跨ぐ歩道橋にそんな標語が掲げられている。これは香港警察の特殊詐欺予防キャンペーンの一環だ。

1件当たりの被害額489万円

大々的なキャンペーンの効果で、特殊詐欺に対する香港市民の予防意識は高まりつつある。そんななか、詐欺グループの新たなターゲットにされているのが、中国本土出身の留学生や、香港で就職した中国本土出身者とその家族たちだ。

財新記者の取材によれば、そのなかでも香港で働く家族(の子育てや家事)を手伝うために中国本土からやってきた高齢者の被害が目立つ。2023年上半期(1〜6月)に香港警察に通報された1579件の特殊詐欺の被害額は、1件当たり平均25万7000香港ドル(約489万円)に上った。

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