香港における特殊詐欺には、主な手口が2種類ある。1つ目は、詐欺グループのメンバーが公安の捜査官や入管職員を名乗って被害者に電話をかけ、「お前は中国本土で違法なマネーロンダリングの捜査対象になっている」などと告げるケースだ。
その後、別のメンバーが執法機関の役人を装って(パニックに陥った)被害者に連絡し、「身元と資産の調査を行う」などと称して銀行の口座番号、暗証番号、パスワードの提供を求める。そして被害者の口座からまんまと現金を引き出すのだ。
留学生対象に警察が予防講座
2つ目の手口は、詐欺グループのメンバーが被害者の親族や友人のふりをして電話をかけ、さまざまな理由をつけて金銭をだまし取るケースだ。「警察に逮捕されてしまった。今すぐ保釈金や弁護士費用が必要だ」などと言葉巧みに被害者を信じ込ませ、送金を要求するのが典型的だ。
そんななか、香港警察は中国本土出身の留学生など詐欺グループに狙われやすい集団の保護に力を入れている。2023年2月には、香港の大学と大学院14校で留学生を対象にした特殊詐欺の予防講座を開催した。
さらに、香港警察は中国本土出身の若者に人気のSNS「小紅書(RED)」に特設ページを設け、特殊詐欺への警戒を呼びかけている。
(財新 駐香港記者:文思敏)
※原文の配信は10月10日
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