森崎ウィン「大河にミャンマー出身者が出る意義」 映画「おしょりん」でもエネルギー溢れる演技

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――『レディ・プレイヤー1』のあとは、国内での仕事が続いていますね。

もちろん国内外を問わず取り組みたいのですが、ハリウッドの攻め方はいろいろあり、自分が得意なものでないと通用しない。なかなか次につながるチャンスがないのが現状です。

同時に僕はいま日本での立ち位置をしっかり作らないといけないタイミングでもあるので、国内の仕事が中心になっています。

一方、いまはアジアの映像界が熱いと感じています。日本で作品を作りながら、アジアで映画制作に携わっている方がたくさんいるので、そういうところでつながりを作っていきたいと考えています。

『どうする家康』で徳川秀忠を演じる意義

――NHK大河ドラマ『どうする家康』で徳川家康の三男・秀忠役で出演されています。20代後半でハリウッド進出し、30代で大河ドラマ出演。順風満帆な俳優人生に見えます。

まったくそんなことありません(笑)。たまたま大きな作品が目立っているだけで、先ほどもお話したように、仕事がほとんどなくて俳優に向いていないと悩んでいた時期だってあります。

今回の大河ドラマは実はご縁があります。前にNHKよるドラ『彼女が成仏できない理由』で主演させていただいたのですが、その時の制作スタッフが『どうする家康』にも多く入っています。そこで一生懸命がんばっていることを誰かしら見ていて、それが次につながっていった。運がよかっただけだと思っています(笑)。

森崎ウィン 大河ドラマ どうする家康 おしょりん
「どうする家康」で大河ドラマに初出演する森崎ウィン(写真:NHK公式サイトより引用)

――大河ドラマ出演も目標の1つだったのでしょうか。

もちろんそうです。大河ドラマは日本を代表する時代劇ドラマ。そんな作品で、日本の歴史的な人物である戦国時代の武将をミャンマー人の僕が演じることに意義がある。国籍や人種にかかわらず、大河ドラマで歴史上の日本人を外国人が演じる道を切り開いた。大げさかもしれませんが、そう捉えていただけるとうれしいです(笑)。

――特別な思い入れのある役になりますか?

どの作品のどの役に対しても思い入れは一緒です。ただ、俳優としてではなく、森崎ウィン個人としては、日本に来てエンターテインメントに出会った僕が、その国の歴史の一部をNHKの大河ドラマで演じることができるのがおもしろいし、価値があると感じています。

いま海外でもいろいろなスキンカラーの人たちが多様な役を演じているのと一緒で、日本でも人種や肌の色は関係ない。教科書に載っている歴史上の人物のキャスティングは相当難しいはずですが、その役に対していいものを持っている俳優が起用されるのではないでしょうか。

NHKが徳川秀忠役に僕を起用したのは、人種の壁を超えた瞬間だと思うんです。いろいろな意味で影響が大きいのではないかと感じています。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事