森崎ウィン「大河にミャンマー出身者が出る意義」 映画「おしょりん」でもエネルギー溢れる演技
――この作品に出演したことで森崎さん自身はどう変わりましたか?
自分を信じることができるようになったことが大きいです。俳優としてやっていける自信がつきました。それはスピルバーグ監督のおかげです。
その前までは、仕事がほとんどない時期もあって、俳優としてやっていけるのか悩んでいました。でも、スピルバーグ監督に「俳優をずっと続けていってほしい」と言ってもらったんです。
世界的な監督が自分を認めてくれたその言葉に、俳優に向いている、向いていないを考える前に、その時間で自分のための勉強をして、監督の前で一生懸命作品に向き合おうと考え方が変わりました。俳優をやっていてよかったと心から思いました。それほど僕にとって大きな作品です。
――仕事への向き合い方が変わるきっかけになったんですね。
やりたいことはたくさんあって、それをとにかく口に出すことが大事だと気づきました。もちろんそれですぐにかなうわけではありません。タイミングも大事だし、時間もかかるし、簡単ではない。でも思い続けて努力を怠らなければ必ずチャンスは来る。そのときを想定して、自分のなかで準備をしておく。そこに無駄なことは1つもありません。
ハリウッド進出の意味と価値
――初めてのハリウッド大作への出演は、森崎さんの人生において“成功体験”という位置づけになるのでしょうか?
大きな転機であり、これがなかったらいまの自分はない。僕の芸能人生を大きく変えてくれた作品です。
ただ、成功という言葉の定義は難しい。僕は自分が成功したと感じたことはありません。僕が人生を終えたあとに、作品を見た方が成功と感じるかどうかではないでしょうか。
いままで達成できた目標はいくつもありますが、1つ達成するとまた次の目標が増える。その繰り返しが僕の人生です。いまでも仕事への不安はありますし、いろいろ考えすぎてすぐに不安になります。でも、ハリウッドの経験はそんな僕に「全然大丈夫だよ」って言ってくれている気がします。
心配性のところがあるんですけど、そこが僕のよさだとも思います。決して天狗にならない(笑)。不安があるからこそ地に足がつく瞬間があって、自分の芯をしっかり持つことができていると思います。
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